トランプ大統領による国家非常事態宣言が出された翌日、私たち家族が居住する地域を含むカリフォルニア州の複数の学区に一斉休校が発表されました。そして16日にはベイエリアの6つのカウンティに外出禁止令が発令され、緊張した週明けとなりました。(追記:その後外出禁止令はカリフォルニア全州に広がりました)
現地時間の16日午後に発表された外出禁止令、"shelter in place" は、少なくとも4月7日まで、約3週間続きます。人々は、特定の重要な活動に参加する場合を除いて、居住する屋内にとどまり、自分自身を隔離しなければなりません。(この命令に違反すると軽犯罪扱いとなります)。
ジム、ナイトクラブ、バーなどは閉鎖され、レストランはテイクアウトのみの営業となりました。病院、薬局、食料品店、銀行など、人々の生活に欠かせないと見なされた業種のみ、オープンしています。居住者は、必要な物資の購入や、支援を必要とする家族や友人の援助などの特別な理由がない限り、徒歩、自転車、自動車、公共交通機関などすべての交通手段において、外出が禁じられています。 (例外として、ペットの世話や、気分転換のためのアウトドアアクティビティなどは認められています。)
外出禁止令が出てからというもの、家の前をパトカーがよく通るようになりました。これは、外出禁止令を守らず街に出ている人たちを取り締まるためだとか。ハイキングをしに出かけ、駐車場で出会った人と立ち話をしただけで400ドルの罰金を取られた、なんて話も実際にありました。
外出禁止令を受け、人々は食料品やトイレットペーパーなど衛生品の買いだめに走りました。混雑したのはスーパーマーケットだけではありません。この騒動で売り上げを劇的に伸ばしたのは、なんとガンショップ。「最悪の事態」に備えて、武装する人が激増したのです。このタイミングで銃を購入した人の多くは、銃の購入が初めてだったと言います。以前から銃に興味があっものの、実際の購入には至らなかった人が、感染拡大の社会不安に背中を押されて銃を買うケースが多いそうです。感染拡大に伴う特定の人種に対する差別意識の高まりを受け、武装するアジア系の人々も出てきています。
我が家はというと、とりあえず今のところは意外なほど穏やかにロックダウンの日々を過ごしています。現在の状況をカタストロフィーとさえ呼ぶ人がいる中で、なぜこんなに落ち着いていられるのか、きっとそれは、311を経験したからだと感じています。
311の際は、まず地震と津波で多くの命が奪われ、さらに原発の事故がありました。放射能はそこら中に撒き散らされ、私たちは食べ物どころか、水や空気といった、私たちの存在の根元に関わるものすら怖がらなくてはいけませんでした。それは我が子ばかりか、その子孫まで脅かす存在なのに、私たちは対抗する方法を持っていませんでした。
当時3歳だった息子に、土や雨は危険なものだと教えなければならないことに言い表せないほどの憤りを感じてました。政府の情報はあてにならず、どうやったらこの子を守れるのか、そのことばかりを考えていた毎日だったように思います。
それに比べればコロナウイルスなんて!手洗いやアルコールで消えてくれるのだから、ありがたいものです。それよりも、不安が引き起こすパニックや差別の方がよほど怖い。これも、311で学んだことの1つでした。
スーパーの前の大行列や、空っぽになった棚、そして政府から次々出される制限の数々。つい数日前まで当たり前だったことができなくなった今の状況を、不安で曇ったフィルターを通して見ると、まさに「人類の危機」を目にしているように感じます。けれども、見方を変えれば、人類が人種や国境を超えて一丸となって見えない敵と戦っている、人類史上初めての出来事を経験しているのだと捉えることもできます。
そしてそこには大きな希望が見えるというのは、あまりにも楽観的でしょうか?
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現地時間の16日午後に発表された外出禁止令、"shelter in place" は、少なくとも4月7日まで、約3週間続きます。人々は、特定の重要な活動に参加する場合を除いて、居住する屋内にとどまり、自分自身を隔離しなければなりません。(この命令に違反すると軽犯罪扱いとなります)。
ジム、ナイトクラブ、バーなどは閉鎖され、レストランはテイクアウトのみの営業となりました。病院、薬局、食料品店、銀行など、人々の生活に欠かせないと見なされた業種のみ、オープンしています。居住者は、必要な物資の購入や、支援を必要とする家族や友人の援助などの特別な理由がない限り、徒歩、自転車、自動車、公共交通機関などすべての交通手段において、外出が禁じられています。 (例外として、ペットの世話や、気分転換のためのアウトドアアクティビティなどは認められています。)
外出禁止令が出てからというもの、家の前をパトカーがよく通るようになりました。これは、外出禁止令を守らず街に出ている人たちを取り締まるためだとか。ハイキングをしに出かけ、駐車場で出会った人と立ち話をしただけで400ドルの罰金を取られた、なんて話も実際にありました。
外出禁止令を受け、人々は食料品やトイレットペーパーなど衛生品の買いだめに走りました。混雑したのはスーパーマーケットだけではありません。この騒動で売り上げを劇的に伸ばしたのは、なんとガンショップ。「最悪の事態」に備えて、武装する人が激増したのです。このタイミングで銃を購入した人の多くは、銃の購入が初めてだったと言います。以前から銃に興味があっものの、実際の購入には至らなかった人が、感染拡大の社会不安に背中を押されて銃を買うケースが多いそうです。感染拡大に伴う特定の人種に対する差別意識の高まりを受け、武装するアジア系の人々も出てきています。
我が家はというと、とりあえず今のところは意外なほど穏やかにロックダウンの日々を過ごしています。現在の状況をカタストロフィーとさえ呼ぶ人がいる中で、なぜこんなに落ち着いていられるのか、きっとそれは、311を経験したからだと感じています。
311の際は、まず地震と津波で多くの命が奪われ、さらに原発の事故がありました。放射能はそこら中に撒き散らされ、私たちは食べ物どころか、水や空気といった、私たちの存在の根元に関わるものすら怖がらなくてはいけませんでした。それは我が子ばかりか、その子孫まで脅かす存在なのに、私たちは対抗する方法を持っていませんでした。
当時3歳だった息子に、土や雨は危険なものだと教えなければならないことに言い表せないほどの憤りを感じてました。政府の情報はあてにならず、どうやったらこの子を守れるのか、そのことばかりを考えていた毎日だったように思います。
それに比べればコロナウイルスなんて!手洗いやアルコールで消えてくれるのだから、ありがたいものです。それよりも、不安が引き起こすパニックや差別の方がよほど怖い。これも、311で学んだことの1つでした。
スーパーの前の大行列や、空っぽになった棚、そして政府から次々出される制限の数々。つい数日前まで当たり前だったことができなくなった今の状況を、不安で曇ったフィルターを通して見ると、まさに「人類の危機」を目にしているように感じます。けれども、見方を変えれば、人類が人種や国境を超えて一丸となって見えない敵と戦っている、人類史上初めての出来事を経験しているのだと捉えることもできます。
そしてそこには大きな希望が見えるというのは、あまりにも楽観的でしょうか?
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外出禁止令がでた翌日に、ハイキングへ。そこにはいつもと変わらず美しい風景がありました。 |
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