旅行記:冬のヨセミテ 前編 (ハイキング)

Yosemite winter


クリスマス休暇を利用して、家族でヨセミテ渓谷へ行ってきました。
カリフォルニアの南北にちょうど背骨のように連なるシエラネバダ山脈。ヨセミテ渓谷はその西側斜面に位置しています。

川沿いの狭い一本道をとって渓谷内に入ってしばらく行くと、岩山しか見えなかった視界が、だんだんと広がっていきます。
谷底には美しい常緑の森や草原が広がっていて、枯れた草にはびっしりと金平糖のような霜がついていました。
谷間の両側には、はるか昔に氷河によって作り出された岩山がそびえ立っています。その巨大さと花崗岩の美しさは荘厳で、圧倒されます。日本人の私は思わず手を合わせたくなるような神々しさでした。

渓谷内には、アップルコンピューターのOSの名前にもなったエル・キャピタンや、アウトドアブランド、ノースフェイスのロゴマークでもお馴染みのハーフ・ドーム。全米一の落差を誇るヨセミテ滝など、幾つもの景勝ポイントがあります。各ポイントにはすぐ側に駐車場が設けられているので、車で簡単にアクセスすることができます。

一方で、渓谷内にはいくつものトレイル(ハイキングコース)があります。「神々が遊ぶ庭」と称されるヨセミテ渓谷をじっくり味わうには、自分の足で自由に歩き回るのが一番かもしれません。

この旅で私たち家族が歩いた、トレイルをご紹介しますね。

1.ミラーレイク・トレイル

トレイルの詳細はこちら https://www.alltrails.com/trail/us/california/mirror-lake--3


ノース・ドームとハーフ・ドームの間を流れるテナヤ・クリークにある小さな湖をめぐる約2.2マイル(約3.5キロ)のトレイルです。ヨセミテ渓谷内を走る無料シャトルバスの17番乗り場がトレイルヘッドなので、わかりやすくアクセスも簡単です。
ミラーレイクはその中の通り、静かな湖面に周囲の景色を映し出します。雪解けの春や初夏は満水し、夏の終わりには干上がることもあるそうですが、私たちが訪れたときは程よく水量があり、水鏡に写った美しい景色を楽しむことができました。



2.ブライダルベールフォール・トレイル

トレイルの詳細はこちら https://www.alltrails.com/trail/us/california/bridalveil-falls-from-southside-drive

Bridalveil fall




パーキングからは舗装されたトレイルが続いていて、滝を間近に見れるポイントまで楽にたどり着くことが出来ます。滝壺近くの岩場は凍って滑るので、少し注意が必要でした。また、このトレイルから少し足を伸ばすと、ヨセミテ渓谷の中央を流れるマーセド川の川べりを歩くコースもあり、静かに散策を楽しみたい方にはとてもおすすめです。


3.ジョンミューア・トレイル

トレイルの詳細はこちら https://www.alltrails.com/trail/us/california/john-muir-trail-via-yosemite-valley



ジョン ・ミューアは、アメリカでは知らぬ人はいない有名な人物です。
スコットランド移民だった彼は、シエラネバダの大自然に魅了され、ヨセミテ山中で植物学や地質学の研究に没頭しました。彼が生きた19世紀は開拓時代のピークで、自然保護という概念は皆無。そんな中ミューアは、ウィルダネスの国立公園化を提唱し、アメリカの自然保護活動に生涯をかけて尽力しました。

ヨセミテ渓谷の端から始まるジョンミューア・トレイルは、彼の功績を讃えて命名された全長340キロの長距離トレイルです。全行程を踏破するには、テントや食料を担いで1ヶ月以上歩く必要があると言われています。

ハイカー憧れのこのトレイルを家族で歩くのは、私の夢のひとつでもありました。
もちろん踏破は無理ですが、トレイルの最初の部分だけなら数時間で楽しむことが出来ます。かなり勾配がきつい箇所もありますが、次から次へと現れる息を飲むような光景に、疲れよりも感動が上回ります。








John muir book

目指すゴールがあるわけでもなく、ただ景色を眺めながらひたすら歩くだけのことが、どうしてこれほど爽快感と充実感をもたらすのか自分でも良くわかりません。ジョン ・ミューアのこんな言葉を見つけましたが、ここにその答えがあるのかもしれませんね。




In every walk with nature, one receives far more than he seeks.
自然の中 を歩くたびに、人は求めているよりはるかに多くを受け取る。
John Muir 

記事を気に入ったら、下のバナーをクリックいただけると嬉しいです。
にほんブログ村 海外生活ブログ サンフランシスコ・ベイエリア情報へ


コメント