旅行記:感謝祭ロードトリップ 後編

Ojai (オーハイ) の街





ピズモビーチを出て、翌日はさらにLA方面へ南下します。

サンタバーバラを超えベンチュラの街で進路を西に変え、山間部にある小さな街 オーハイ を目指しました。

今回の旅の目的の一つがこのオーハイの街を訪れることでした。ロスパドレス国有林の広大な森のふちに位置した小さな街ですが、多くの芸術家がこの場所に魅了され、ここを芸術の拠点としています。メディテーション施設やヨガスタジオ、ベジタリアンレストランなど、ニューエイジ系のお店が多いことも印象的でした。また、街の外れには全米でも有名なラグジュアリーホテルがあり、かのクラーク・ゲーブルやオードリー・ヘップバーンも静養に訪れたそうです。
また、街の中心部から車を10分も走らせれば、そこには手付かずの大自然が広がっていています。ちょうどストームが南カリフォルニアを襲い、不安定な天候に泣かされましたが、私たちはここを拠点に毎日のようにトレッキングを楽しみました。



















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Gridley Trail












"With GRETA"をスローガンに、環境保護を訴える若者




秘密の温泉を目指して








ロスパドレスの山の中に温泉がある、という話を知人から聞いた時は半信半疑でした。個人の所有地だということで、教えられたメールアドレスに家族で訪ねたい旨を送ると、詳しい道案内が送られてきました。Google MapやApple Mapはアテにならないばかりか、とんでもないところに着いてしまうから気をつけてね!という注意書きとともに…。


車一台通るのがやっと、少しでもハンドルを切り間違えば谷底へ真っ逆さま、という山道を、頭上の落石に注意しながら延々と進み、やっとたどり着いたのは、渓流に面した小さな谷。谷の入り口にキャンピングカーが何台か停めてあって、私たちが到着すると、若い女性が笑顔で出てきて、温泉の説明といくつかの注意点を教えてくれました。

(温泉は谷の一番下の渓流沿いに4つあり、すべて温度が違うこと、敷地内では、電話は使えないこと、写真を撮ったり、SNSにアップしないでほしいこと、静かに、譲り合って温泉を楽しんでほしいこと、ドラッグ・お酒・食べ物の持ち込みは禁止していることなどなど。)


水着に着替え、谷底へ降りて行くと、渓流を堰き止めて作られた岩風呂が、上流から下流に向かって4つ点在していました。ひとつの大きさは直系3メートルほどで、黒いお湯でなみなみと満たされています。もうもうとした湯気とともに、強い硫黄の匂い。カリフォルニアにも温泉があったのかと感激しながらお湯に入ると、なんとも言えず丁度良い湯加減です。


視界を遮る人工物は一切なく、目の前に広がるのは美しい渓谷の山肌と、刻々と色を変えて行く夕暮れ時の空。下流の方ではだれかがお風呂に浸かりながらハングドラムを弾いていて、浮遊感のあるメロディーが流れてきます。水着を着ている人も、何も身につけていない人も、肌の白い人も、黒い人も、黄色い人も、皆満ち足りた表情で、このひとときを味わってました。


お風呂上がりにオーナーから頂いたオレンジを齧ると、これがまたみずみずしくたまらない美味しさで、ユートピアって本当にあるのだなあとしみじみと思いました。



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