いわゆる転勤族ではなかった夫がある日突然こう言いました。
「アメリカに赴任が決まったから。」
それから出発までの2ヶ月の間は、文字通り怒涛のように過ぎていきました。私たち家族全員が初めての海外生活。準備はいくらやってもこれで万端だと安心することがなく、大切な家族や友人とはどれだけ時間を過ごしても満足することがなく、大好きな日本の美しい景色はいくら眺めても飽きることがなく。成田を発ったあとも自分の本体はまだ日本にあって、機上にいるのはまるで分身かなにかのような、とてもふわふわした心持ちでした。
シリコンバレーってどんなところ?
ロサンゼルスで国内線に乗り換えて、約2時間のフライトでついたのがサンノゼ空港。私たち家族が新たに居を構える「シリコンバレー」の玄関口です。サンフランシスコ湾からは車で約1時間ほどの距離ですが、街の雰囲気に潮の香りはありません。ふと見上げた空の高いところにカモメが渡っているのを見て、初めて海が近いことに気がつきました。
「シリコンバレー」は特定の地域を指す言葉ではなく、カリフォルニア州北部に位置するサンフランシスコ湾南岸一帯の通称です。大きさは沖縄本島より少し大きいくらいでしょうか。第二次世界大戦ごろから軍事関連の科学者が移り住むことで発展が進み、1960年台に半導体関連の企業が一挙に進出してきたことで、サンノゼを含む近隣エリア全体が「シリコンバレー」と呼ばれるようになりました。(半導体は主にシリコンで出来ている)
半導体産業の隆盛とともに潤沢な資金が新興企業に流れ込み、Apple、Google、Yahoo、Facebook、Twitter、Intel、hp など、世界を牽引するIT企業が一極集中する現在のシリコンバレーが形成されました。また近年では、UberやAirBnB、Yelpなど短期間で急成長を遂げる企業が生まれる土地としても注目を集めています。
"Making the world a better place"(世界をより良くする)を合言葉に世界に革命を起こそうとするスタートアップ企業、またそれに投資して一攫千金を狙うベンチャーキャピタルたち集まり、まさに生き馬の目を抜く土地柄だという前評判に、極東ニッポンののんびりした海辺の町からやってきた私には戦々恐々とするほかありません。
新生活のセットアップ
アメリカに到着したその日から、会社が用意してくれた空港近くのサービスアパートメントに入居させてもらいました。アパートメントの部屋はキッチンとリビングが一緒になったメインの部屋と、ベッドルームがひとつ、そしてバスルームで構成されています。冷蔵庫やテレビなどの基本的な家電のほか、管理しているのが日系の不動産会社のためか炊飯器もありました。
3回の機内食と到着後の外食で、早くもアメリカ式の食事に辟易してしまった我が家の男性陣から「日本のごはんが食べたい!」との熱いリクエストがありました。幸いアパートメントから歩いてすぐのところに日系のスーパーがあったので、到着後すぐに物見遊山も兼ねて買出しに出かけました。食料品と生活雑貨に関しては日本と変わらない品揃えでまずは一安心。
以下、参考までに初日に私が買ったもののお値段です。当然ですが、日本より割高な印象です。また、健康志向が強い土地柄かオーガニック製品の品揃えが豊富でした。

- 地鶏卵 6個入り $3.99
- ヒカリ 味噌 $6.69
- はくばく 蕎麦 $2.99
- 新潟産コシヒカリ 5kg $28.99
- 有機ニンジン 1ポンド $1.39
- 有機シメジ 1パック $1.39
- S&B カレールー $2.99
夕食はカレーを用意しました。異国で食べる懐かしい味は普段より数倍美味しく感じられるようで、ありがたがって食べる家族の様子が微笑ましかったです。
記事を気に入ったら、下のバナーをクリックいただけると嬉しいです。

コメント
コメントを投稿