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20件以上の物件を見て最終的にたどり着いたのは、シリコンバレー南西部の小さな町。鹿やコヨーテ、マウンテンライオン(ピューマ)が住む山々がすぐそこに迫り、豊かな自然とのんびりした雰囲気が魅力的なエリアです。全米でも有数の治安の良さを誇り、学校のレーティングも高い、まさに理想の街なのですが、唯一の欠点は夫の通勤時間がかかること。昼間なら30分もかからない道のりですが、フリーウェイが通勤ラッシュで混雑する朝晩は会社まで1時間ほどかかります。こちらでは、ドアを開けてから10分でオフィスというくらいの職住近接が常識という中、家族の生活環境のために譲歩してくれた夫には本当に頭が下がります。
賃貸契約はスピード感と押しが大切
さて、家を探す一連の流れの中で、一番驚いたのがそのスピード感でした。のちに入居決める物件をネットで見つけたのが、アメリカに到着して4日目の夕食後。この日を起算ととすると、こんな感じです。
day 1 : 夕食後にネットで物件を見つけ、エージェントにメール。エージェントが夜中のうちに翌日の内覧のアポイントをとってくれた。
day2:夕方物件を内覧。気に入ったので申し込みを入れることに。すぐさま書類を取り寄せて、夜中に申し込みの書類を送る。
day3:家主からの連絡があり、他からも申し込みがあったとのこと。こうなると、先に契約を交わした方が勝ち。私達はすぐにでも契約を交わす意思があることを伝え、入居の希望を強くアピール。その甲斐あって家主もこれに合意、即座に契約書のドラフトが送られてくる。夜中までメールをやりとりし、契約条件を詰める。同時に契約に必要な書類(雇用証明や銀行の残高証明など)を大慌てで揃える。
day4:翌朝銀行に駆け込んで、契約時に支払うデポジット(敷金)や前家賃の小切手を用意する。そのまま家主のお宅へ行き、午前10時に契約書にサイン。
人口増加が続くシリコンバレーでは賃貸住宅が慢性的に不足しているため、これと思う物件に出会ったらすぐ決断、迷っている暇はありません。即決断、即実行、このスピード感に慣れるまでは大変でした。
また、他の入居希望者と競り合うことも多いので、自分たちに貸すとどれだけメリットがあるかをアピールする必要あります。幸い日本人は、靴を脱いで生活する、綺麗好き、礼儀正しく几帳面というイメージが強いので、他の民族より有利になることが多いようです。
大家さんはスティーブ・ジョブズ似のイスラエル人
我が家の大家さんは、合理的でスピーディーでビジネス上手、と言われるイスラエル人。シリコンバレーの高級住宅地モンテセレーノのご自宅に、契約書をかわすため訪ねました。美しいバラが咲くフロントヤードを通って玄関のドアを開けると、人懐っこいラブラドールレトリーバーが飛び出してきて、私達を大歓迎してくれました。
ご主人は上背があってすらりとした方。白髪混じりの短髪にリーバイスのデニム、シンプルなブラックのTシャツ。その出立ちがなんとなくスティーブ・ジョブズに似ていて、いかにもシリコンバレーのエンジニアという感じです。
元看護師で、現在は医療系のビジネスを運営している奥様は、辛辣なユーモアをキビキビした口調で連発し、ちょっと怖そうな印象。でも実はとても優しい方で、家に着くなり早速息子を家の奥へと案内し、私たちが契約を進めている間レゴブロックで遊ばせてくれました。
居間の丸テーブルには、温かい紅茶とチョコレートとナッツがセットされていました。壁には美しいモノクロの海辺の写真が飾られていて、尋ねるとテルアビブの風景とのこと。ご夫妻は30年前にイスラエルからシリコンバレーに移住してきたのです。
緊張していたので細かいインテリアにまでは目がいきませんでしたが、机の上に何気なく置かれたヘブライ語のオブジェが印象的でした。ちなみに室内では靴を脱いで生活されていました。(シリコンバレーのお宅では出身国の習慣とは異なっていても、家が汚れないから、もしくは健康に良いという理由で裸足生活を送る方が多いようです。)
アメリカの賃貸契約内容はこんな感じ
ほんの1、2分雑談を交わしたあと、早速本題に入ります。家主さんが契約書を読み上げ、双方で疑問がないことを確認します。以下の内容は我が家の賃貸契約の一部ですが、アメリカではごく一般的な内容だそうです。
- 水道光熱費は借主負担
- 冷蔵庫/洗濯機/乾燥機等、備え付けの家電は物件の設備となり、故障の際は家主負担
- 週に1回の庭師の費用は家主負担
また、入居前に壁の色を塗り替えてくれるとのことで、近くのペンキ店に行ってカタログの中から色を選ぶよう指示されました。(なんて親切な!と感激しましたが、こちらも割とよくあることだそうです)
ちなみに、日本でいうところの敷金はデポジットと呼ばれ、家賃の1ヶ月分が相場です。礼金にあたるものは存在しません。日本では入居時に家賃の5~6ヶ月分が必要となりましたが、それに比べてアメリカでの初期費用はとてもリーズナブルであると言えます。
双方合意に至ったら、家主夫妻と我々夫婦、合わせて4人が2部の契約書にサインをします。お宅にお邪魔してから正味30分程度。つつがなく契約が完了しました。
現在物件に住んでいる家族の引越しと、クリーニングと修繕が終わったら、いよいよ入居です!
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