住む家が見つかったので、次は子供の現地校への転入手続き。
日本では考えられない、公立校の定員オーバーと「オーバーフロー」という仕組みについてお話しします。
アメリカも日本と同様で、住む場所によって通う学校が決められています。地域内の複数の学校は学校区/スクールディストリクトと呼ばれる組織がまとめていて、日本の教育委員会と同じような役割を担っています。転入手続きを始めるにあたって、まずスクールディストリクトのホームページを確認したのですが、そこにはこんなリストが載っていました。
STUDENT OVERFLOW INFORMATION
- A小学校 Kindergarten, 1st, 2nd, & 3rd grade
- B小学校 Kindergarten, 1st, 2nd, 3rd, & 4th grade
- C小学校 3rd grade
- D小学校 All grades
- F小学校 5th grade
- G小学校 All grades
- H中学校 6th grade,7th grade, & 8th grade
Due to the high number of students in your child’s grade, there is a possibility that your child may be overflowed to another school.(あなたの子供の学年の生徒数が多いため、別の学校にオーバーフローする可能性があります)
赤字は転入生の受け入れを停止している学年を示しています。私たちが住むことになる学区には、6つの小学校と2つの中学校があるのですが、ほぼ全ての学校で受け入れをストップしている学年がありました。幸運なことに、我が家の新居が該当するB小学校では息子の学年の受け入れ枠があるようでしたが、大家さんや不動産エージェントさんからは焦った様子で私たちを急かしました。「今大丈夫でも、いつオーバーフローしてもおかしくない。今すぐ入学手続きを進めなさい!」
学校が定員オーバー?オーバーフローとは何か。
日本のように、全国で統一された学習指導要領も検定を受けた教科書も存在しないアメリカでは、公立校の教育水準や指導方針は学校ごとに異なります。そのため、評判の高い学校に人気が集中し、定員をオーバーすることがあります。居住地域で指定されている学校が定員オーバーになった場合は、ディストリクトに割り当てられた学区内の他の学校に通うことになります。この状況がオーバーフロー(あふれるという意味)と呼ばれています。
では、オーバーフローした際、何が問題になるのでしょうか?
▲通学時間が余計にかかる
徒歩で行ける距離に学校があるのに、車で30分かかる学校が割り当てられることもあります。毎日のことなので、ジワジワと負担になりますね。
▲ランクの低い学校になる可能性もある
アメリカでは、隣り同士の学校でも教育レベルに大きな差があるということが珍しくありません。(アメリカの教育格差に関する過去記事はこちら)オーバーフローで割り当てられた学校が、学力水準が低く問題の多い学校だったというケースはよくあります。
ただでさえ、人口が爆発的に増え続けているシリコンバレー。公立学校の定員オーバーは、珍しいことではありません。希望の学校に入れずオーバーフローで割り当てられた別の学校へ通ったものの、思い描いていた環境とは違い、学年途中で引っ越したという日本人の方のお話も聞きます。
学校を選ぶ場合は、オーバーフローの可能性を頭に入れて、全体的な教育水準のバランスが良い学区を選ぶことをオススメします。
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